どこがおもしろいのか ?
はじめてこの作品に触れたのはマンガではなく、 2014年日本テレビで「寄生獣」がアニメ化されたのを見たのが最初でした。
この作品は1989年から連載されたマンガではあるが、新しい物に触れたかんじがしました。
「寄生獣」は掲載以降のマンガに多大なる影響をあたえたものなので、それ以降からマンガに触れた方には新鮮味を感じさせないかもしれません。
というのも、「寄生獣」以降にでたマンガのいくつかはその影響が含まれた作品(例えば「進撃の巨人」など)で、知らず知らずのうちに皆さんが親しんでいる可能性が高いからです。
しかしその作品の面白さの原点であるものは、変わらないため必見の価値ありです。
原作の紹介
著者 岩明均(いわあきひとし)
1989年~1995年にかけて講談社「アフタヌーン」にて連載。実写映画化およびテレビアニメ化が発表された2013年時点での累計部数は1100万部。完結後20年近くも売れ続け、1000万部を突破するのは2020年時点で累計発行部数は2400万部を突破している。
登場キャラクター
泉新一
平凡な高校生男子 ミギーという宇宙人に右手を食べられ、寄生生物(ミギー)が右手になることで新一からの血液から養分をもらう共存関係。時間が経つにつれ変化していく自分自身に戸惑う中、寄生生物関連の惨い事件に巻き込まれていく。
ミギー
泉新一の脳に寄生してすべてを乗っ取るつもりだったが、あえなく阻止され新一の右手を食べ、新一に寄生することになった寄生生物。いくつもの凄惨な事件に遭遇するなか新一との友情を築き、お互いを思いあういい仲間となる。
田宮良子/田村玲子
新一の学校に入ってきた新任の教師。田村良子(人間)は転任してきた時点で寄生されている。マンガの主要な人物。なぜ自分たち寄生生物が存在するのかを知りたいと思っている。
村野里美
高校の同級生、はじめの方からお互いを想いあってる。
宇田守
顔の下半分から首筋の前側胸のあたりまでなぞの寄生生物に寄生されている人。 新一とは友好関係。宇田に寄生してる生物の名前は「ジョー」という。顎と意味する英語からつけている。
島田秀雄
新一の高校に転入して来た高校3年生。新一と違い完全に冷酷な寄生生物に体を乗っ取られてる人。田宮良子の指示で新一を監視している。
この本のぐっとポイント
作品の冒頭からめまぐるしく変わる展開
- 冒頭から突然宇宙人に右手を喰われ、共存関係となる。
- 寄生された人ととの戦い(新一はミギーに巻き込まれた感じですが)
- 周りで起こる寄生された人が起こす残忍な事件
一巻から主人公 新一の前に怒涛のように次々と訪れる出来事。
まずこんなこと起きるなんてありえないと考える間もなく、周りでも不穏な寄生生物の動きで残忍な事件も起きていくなか話は進みます。
1巻を読み始めたら10巻までノンストップに読まずにいられなくなること間違いなしです!!
泉新一の感情の変化
新一の心の揺れや葛藤を読者の気持ちとシンクロし顔の表情とともにわかりやすく描かれています。他のキャラクターも同様です。
話が進むにつれて平凡だった新一が色々な経験を通して、人間としての気持ちを無くしかけたり取り戻したり、また成長したりと主人公の感情、成長にも目が離せません。
泉新一とミギー(寄生生物)との絆
優しく平凡な新一と合理的で論理的、時には冷酷でもあるミギー(寄生生物)とはじめは考え方が大きく違いすぎてぶつかることも多い中、生活の大半を共にし、たくさん話すことでお互いの立場や感情を理解し、最後にはお互いなくてはならない存在に。
主人公以外にも注目
主人公以外の人物 田宮良子は、20代の女性で寄生された人ですが、妊娠し子供をもち、子育ても雑な感じで、見てる読者としては冷や冷やする場面などちらほら目にします。冷酷だった寄生生物としての田宮良子は、子供を持ち育てることで感情に変化があらわれ、田宮良子のラストは…これもまた必見です!!
母親への気持ち
まず主人公は母親を大好きで、そして母親も新一を大好きです。幼い頃わが子を身を挺してやけどからかばったことからも容易に想像がつきます。そんな母親が父との旅行先で寄生され家に戻ってきた時の新一の感情は計り知れないものでしょう。そして再び寄生された母親とおぼしき者と対決するシーン(正確に言えば母親ではないのですが)強い感情と激しい戦闘シーン見ものです!!
戦闘シーン
いくつもの戦闘シーンがありますが、おすすめとしては9~10巻の寄生生物 後藤との戦闘シーンです。後藤は戦闘能力がずば抜けて高かったため新一とミギーは戦いにやぶれ、その際新一とミギーは離れ離れになってしまいます。
ミギーと別れた新一は勇気をふりしぼってもう一度後藤に1人で立ちむかっていきます。あきらかに力の差のある2人が戦ったところで…と思うのですが、どこまで新一が戦い抜くのか、このシーンも必見です。
まとめ
この作品は1989年から連載された作品ですので、作品の絵的には古さを感じるかもしれません。
しかし、マンガも音楽と同じで表面的な古さは感じても、時代は変わってもいいものはいいのです。
はじめは絵のタッチになれず、ちょっとこの絵のタッチ苦手だな~と思い読み控えるのは勿体ないことだとこのみちは思います。誰かがいいよっていう声があれば素直に読み進めてみましょう。(どうしてもダメだという場合を除いては)
古い本であれ あなたに新しい影響を与える一冊かもしれません
一期一会を大切に