「北海道でヒグマに襲われ大学生死亡」の事件から学ぶクマの対策方法

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くま2023年

今年になり相次いで人がクマに襲われるというニュースを耳にします。

最近の関連ニュースでは今月の2日に北海道福島町などにまたがる大千軒岳(だいせんげんだけ)で登山中にクマに襲われたとみられる北海道大学の男性(22)の遺体が発見され、死因は「出血性ショック」でした。遺体の損傷も激しく、数十メートル離れた場所ではクマの死骸も発見されました。

この山では先月31日に登山中の消防士3人もクマに襲われていて、クマは中央にいた男性に襲いかかり、隣にいた男性がナイフでクマの目を刺すと、クマはこの男性に襲いかかり、さらにクマの首を刺すとクマはひるんで逃げていったそうです。

この事件の背景にはクマの習性が関係している可能性があるようで…

「クマはエサを守ろうとしてこのような行動をとるということは考えられます。最初に事故が起こったあと、ヒグマがその場所に執着していて、次に登ってきた人をその場から排除しようとして攻撃をしたというパターンが考えられます」

STV 「どさんこワイド179」より 道・野生動物対策課 ヒグマ対策室 武田忠義主幹 2023.11.6 

住宅街に出没したり、登山中に襲われるニュースがあったりとクマと人の距離が縮まっているのを日々感じます。

クマの頭数も増え、色々な環境変化の要因などからクマの人身事故の被害も増加しています。

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2023年クマ被害

クマの被害人数(10/29日時点)少なくとも172人

環境省が統計を取り始めて以降、最も多い2020年度の158人の被害をすでに大きく上回り過去最悪の被害となっています。

<クマ被害ランキング>

1位 秋田 59人

2位 岩手 40人

3位 福島 13人

4位 青森 11人

5位 長野 10人

この他いくつかの道府県、長野県、三重や京都など関西圏でも被害の報告がなされています。

なぜクマは里に下りてくるのか

山の中で十分に食料を得られないからだと考えられます。

ヒグマは巨大であるため1日で食べる量はメスとオスで差はありますが、メスは11015キロオスは多いときで24キロも食べるそうです。(札幌市丸山動物園より)

クマの1年

1月~3月   冬眠(妊娠中のメスは1月中旬から遅くとも2月下旬までには出産する)

4月~5月   冬ごもり明け(早い個体で3月中旬、遅いものでも5月上旬ぐらいには穴からでる)

6月~11月   活動期

12月~翌年3月   冬眠

クマの危険な時期

4月~5月 冬眠あけで空腹状態のクマに出くわす可能性が高い

9月~10月 冬眠に向けて食欲を満たし、栄養を蓄える時期のため出くわす可能性が高い

1970年からの一般人(狩猟者以外)の人身被害は上記の時期で事故の8割起こっています。

クマと遭遇しやすい危険な時間帯

早朝、薄暗くなる夕方での時間帯は要注意時間です。天気が悪くて曇りな薄暗い日などは昼間も活動することがあるので要注意です。

参考として…

クマの夏の活動時間帯: 朝 4時~7時/ 夕方 17時~21時

クマに対しての対策

  • 単独での登山はしない

  • 鈴や笛、ラジオなどで自分の存在を知らせる。
  • 残飯や生ごみは持ち帰る

  • 早朝や夕暮れの時間帯雨風の強い日や沢沿いをさける

  • 近くの低い山であろうと登山届を必ずだす(登山届でなくても最低限、家族にはどこの山に登るか知らせておく)

  • クマの好物がある場所に近づかない

  • クマ撃退スプレーをすぐに取り出せるように腰や胸元につけて携帯する

価格は上がりますが、すぐに取りだせるようにホルスター付きのスプレーを購入されるのがおすすめです!!

海外製品などで有名なスプレーが発売されていますが、中身が強すぎて、使用方法を間違えると失明など重症を負う可能性があるため、使用する人の安全性も考慮すると水性のクマ撃退スプレーをおすすめします。

クマに遭遇したらどうするか

遠いとき → クマの様子をみながら静かにあとずさりしながら距離をはなす

近いとき → 大きな声は絶対禁物、両腕を大きく振り上げる、ゆっくりあとずさりして距離をはなす

クマが近づき接触 → 距離5メートルほどに近づいてきたら、ためらわずクマ撃退スプレーを噴射する

クマが接触をしてきた場合 → 抵抗せずに自分の体を守る姿勢をとる

クマから自分をまもる姿勢

山を歩く場合には、リュックサックを背負ったままうつぶせになって、地面でお腹を守るようにする。

また首を守るために、両手を首の後ろにもっていく。

もし、あおむけにころがされてもうつ伏せの状態に戻すようにして姿勢をうつ伏せのままキープする。

まとめ

このような動物と人間とが関わった悪い事件を聞くとやるせない気持ちになります。

お亡くなりになった大学生のご冥福をお祈り申し上げます。

昔から「君子危うきに近寄らず」という言葉があるように、その時「行きたい」と思っても、危ないと思う要素がある場所は十分情報を集めて、準備をし、危険だと思われるタイミングでは行かないという選択肢をもつ勇気も大切ではないかと思います。

動物たちなどを含めた自然を相手にすることは、人間が考える以上にリスクがかなりともなうものです。

そのためにも考えられるリスクを減らしてから行動してほしいと思います。

しかしどうしても行くんだと自分で決断したときは、自分でリスクをすべて引き受けるつもりで行動なさって下さい。

以上

ここまで読んでいただきありがとうございました。

このみち

参考サイト:STV「クマに襲われたか 遺体の損傷激しく一部に土がかけられた状態 不明男性か 北海道・大千軒岳」2023.11.2

NHK「クマに出会ってしまったらどうしたらいいの?」2023.8.3

知床財団「出会った時は」

https://temu.to/m/udsb020cw0s