「今日も嫌なことがあった、忘れてしまいたい」、「あんなことしなければよかったなぁ」など嫌なことを考えてしまって憂鬱になることありますよね。
また、本記事では嫌なことを忘れる方法に関わる原因を追究し、そこから導きだした克服方法を解説します。
「嫌なこと」はなぜ忘れないのか?
人は毎日の出来事の中でも「嫌なこと」は「良いこと」よりも記憶に残りがちです。
1度した失敗や会社の中でムッとした上司の顔などその出来事が大きかろうが小さかろうがかかわらず、ふとした時に思い出されたり,ぐるぐる繰り返し考えてしまいます。これは、人間の性(さが)のせいです。
人間の性(さが)
以前のこのみちの記事でも述べたように、現代のような生活(農耕・定住生活)が始まったのは約1万2000年前です。人類の歴史でいうと現代の生活は始まってまだ浅いのです。このことから人類の身体はまだ狩猟生活から脱していないといえます。そのため狩猟民族の名残である「ネガティブバイアス」が残っているのです。
ネガティブバイアスとは?
人は良い情報よりも悪い情報に注意を向け、悪い情報を重要視する傾向があり、悪い記憶の方が残りやすい性質をもつのを表す心理学用語のこと。
なぜネガティブバイアスはあるのか?(原因)
一言でいうと「リスク回避」のためです。人類が進化する過程で災害や事故などの身の危険から守る機能としてありました。
しかし、現代の生活では「ネガティブバイアス」の必要性はかなり低くなりました。そのような「ネガティブバイアス」ですが、日常生活でどのような影響を与えているのでしょうか。
ネガティブバイアスの影響
- 良い記憶より悪い記憶をとどめるため、人間関係においてトラブルを生じやすくなる
- 周りがバカばかりだと思ってしまう➾人は変化に弱く、思い込みが強いのが理由
- 自分の力が及ばないことなのに自分でコントロールできると思ってしまう➾完璧主義➾自殺増える
- ネガティブバイアスの中にある「~すべき」のような感情が多くのプレッシャーを与え、責任や活動を先延ばしにしたり、時には行動することを完全に避けたりするようになる➾やらなかったことに対して不安を感じたり、うつを起こしやすくなる
いくつか影響をあげましたが、みなさんの日常生活で思い当たることがあるのではないでしょうか。一方でこれもネガティブバイアスなのかと気づくこともあるでしょう。
それではネガティブバイアスに対してどのようにアプローチしていけばいいのかみてみましょう。
ネガティブバイアスへの対策方法
①良い出来事や感情にもっと意識的に注意をむける
②自分自身をチェックする
行動や考え方に関して何が自分のためになり or 何が自分のためにならないかを認識し始めることができ,よりよく理解することができる。
③ポジティブな瞬間を経験したり生み出したりする時、いつもより少しだけ時間をかけて楽しむ
➾自分が感じている良い感覚、幸せな考え、楽しい感情に集中しそれについてメモをする。
④状況を否定的に捉えている自分に気づいたら、出来事をよりポジティブな観点から捉えなおす方法をさがす
⑤ネガティブな考えにとらわれた時はそれを止め、そこから何を学んだか、そこから将来にどう役立てられるか考えるようにする
⑥ネガティブな考えにとらわれた時、別のことに視点をそらす
(例)散歩や音楽を聴く、良い本を読む
⑦愛する人たちに接するのと同じ優しさと思いやりをもって自分自身に接する
自分自身への優しいセルフトーク「大丈夫?どうしたの?なんでそんなに怒っているの?」のような優しい言葉を自分に普段から語りかけてみる。
まとめ
今回は「嫌なことを忘れる方法」を別の視点「ネガティブバイアス」から考えて探り、原因・デメリット・対策方法をあげてみました。
今の私たちが狩猟時代からの人間の性(さが)を変えるには時間が足りません、つまり不可能なことです。
しかし、人間は「ネガティブバイアス」をもっていることに気づき、今回紹介した対策方法を試すことで少しでも嫌なことを忘れ、なるべく沢山の楽しい時間を過ごしていけるようになれば幸いです。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
このみち
この記事は以下のサイトを参考にして、独自の解釈でまとめています。
参考サイト:Positive Psychology.com Catherine Moore「What Is Negative Bias and How can It Be」2019.12.30
PRESIDENT Online セルジュ・シコッティ「心理学者が解説「なぜ世間には『バカ』がこれほどまでに多いのか」2020.8.13